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設 立 宣 言



 沖縄県高齢者協同組合設立総会に参加した私たちは、長寿社会に向かって歓びと感動の人生を 仲間とともに創造していくために本日ここに結集しました。

 「高齢者社会」は、寝たきり、痴ほう、介護づかれ等、ともすればくらく語られています。
しかし、私たちは、こうした邪道を正道に修正する可能性を、高齢者協同組合に見いだしてきました。

 高齢者が人とのつながりや生きがいをもち、高齢者を支える体制や環境があれば、病気や障害を 持っていても、毎日の生活の工夫や介護の仕方で、十分「寝たきり」は予防できるといわれています。

 私たちはこの原点に立ち、高齢者が「受身的存在」にならず、自ら知恵も能力も出し合い、
仕事おこしから、介護・福祉サービスを含む高齢者の生活全般を協同で結び、生涯にわたって自立し 尊厳をもって前向きに人生を送れるようにしようと決意しました。
 私たちは、人間は生あるかぎり成長発達し、あらゆる可能性をもち人間として尊ばれ、敬われる 存在であることを高らかに宣言するものです。

 高齢者協同組合構想は、県民各層に年齢にかかわりなく共感をもって迎えられています。
私たちの呼びかけに、広範な仲間が多士済済に集い、知恵と力を寄せ合った力強い流れができはじ
めています。

 私たちは、自らの力に確信を持ち、高齢者にふさわしい仕事の確保を基本に、生活の全面に わたって助け合い、心のかよい合う事業・運動を次の点を重点に取り組んでいきます。

 一、高齢者の仕事おこしの大きなうねりをつくりだしましょう。
 一、生活全体助け合いの網の目を地域のすみずみに広げましょう。
 一、高齢者の仕事おこし・生活づくりを支えるコーディネイターを育てましょう。
 一、元気な高齢者をつくる仕事おこし・福祉づくりに自治体の合意賛同を拡げましょう。

こうした私たちの運動は、必ずや、公的福祉、行政のあり方にも好ましい影響を与えることで しょう。

 また、高齢者福祉サービス事業の展開には、若い労働者も重なって、高齢者、障害者、若者の 間に出会いがあり、人間愛の結びつきをつくりだすことでしょう。

 あわせて、人間の尊厳を根底から奪う、失業と貧乏、戦争に反対し、核実験をやめさせなければ なりません。
 私たちは、高齢者協同組合の運動と事業を全国の仲間と一緒にすすめます。すでに三重県では 高齢者生協が生協法で認可され、愛知、福岡でも設立の準備が進められています。

沖縄県民のみなさん、「寝たきりにしない、させない」を合言葉に、人間の尊厳を保ち、世界に誇れ る長寿社会の沖縄の地にあって、生きていてよかったと、そんな生き方を希求して行くため、ここに
沖縄県高齢者協同組合の設立を宣言いたします。